事業系ごみの料金には、1キログラム46円という上限がある
公開: 2026-08-30|運営: ubusuna works
この記事の結論
東京23区では、許可業者に事業系ごみの処理を委託するときの料金に、1キログラムあたり46円という上限が条例で定められています。区の収集を使う場合は有料ごみ処理券を貼って出し、中野区なら45リットル相当1枚が391円です。どちらが安いかは、1袋に何キログラム入るかで逆転します。
誰向けか: 飲食店・オフィス・店舗のごみの出し方を決める、事業所の管理担当者
- 自分の事業所が区の収集を使える条件(従業員20人以下・1日50キログラム未満)に当てはまるか
- 見積書の単位がキログラムか、袋か、月額か(そろえないと比べられない)
- 出したいものが一般廃棄物か産業廃棄物か(廃プラ・びん・缶は産業廃棄物で、別の許可が要る)
事業系ごみの委託先を探している人が最初に調べるのは、ほぼ「いくらか」である。
その答えには、あまり知られていない出発点がある。 料金には上限が決まっている。
1キログラムあたり46円
板橋区は、許可業者への委託についてこう書いている。
許可業者に処理を委託する際の処理料金については、 1キログラムあたり46.0円が上限と法令で定められています。
出典: 板橋区「事業系ごみの処理について」(2026年8月30日取得) https://www.city.itabashi.tokyo.jp/tetsuduki/gomi/jigyou/1001895.html
同じ額は練馬区・中野区も公表している。23区は事業系一般廃棄物の 処理手数料を条例でそろえており、2023年10月に現在の額へ改定された。
上限であって、定価ではない。実際にいくらになるかは業者ごとに違う。 だから見積もりを取る意味がある。ただし46円を超える提示を受けたときは、 その根拠を聞いてよい。
産業廃棄物には上限がない
同じ板橋区のページに、もう一行ある。
(産業廃棄物は)許可業者に処理を委託する際の処理料金については、 形状によって異なるため上限が定められておりません。
ここが混ざりやすい。事業所から出るごみでも、 廃プラスチック類・空きびん・空き缶・金属くずは産業廃棄物で、 一般廃棄物の許可では運べない。上限の話も当てはまらない。
一般廃棄物として扱えるのは、板橋区の表現では 「厨芥類、木くず、紙くず」——つまり生ごみ、木、紙である。
飲食店のように両方が出る事業所は、1社で両方の許可を持つ業者を選ぶか、 2社に分けることになる。当サイトが収録している中央区の名簿は 産業廃棄物の許可の有無まで公表しており、297社のうち278社が両方を持っていた。
区の収集に出す場合は、袋の値段になる
従業員が少なく、ごみの量も少ない事業所は、区の収集を使える。 中野区の条件はこうである。
常時使用する従業員数が20人以下の事業所 1日の平均ごみ排出量が50キログラム未満の事業所
このとき貼るのが有料ごみ処理券で、中野区の価格は次のとおり。
| 種類 | 1枚あたり |
|---|---|
| 特大(軽量物専用・70リットル相当)5枚1セット 3,045円 | 609円 |
| 大(45リットル相当)10枚1セット 3,910円 | 391円 |
| 中(20リットル相当)10枚1セット 1,740円 | 174円 |
| 小(10リットル相当)10枚1セット 870円 | 87円 |
出典: 中野区「事業系廃棄物収集届出制度」(2026年8月30日取得) https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/kurashi/gomi/syoten-jigyosyo/jigyokeihaikibutsu.html
処理券を貼らずに出すと改善命令が出る。従わなければ事業者名が公表され、 5万円以下の過料が科されることがある。同じページに書いてある。
どちらが安いかは、袋の重さで逆転する
45リットルの袋に1枚391円。上限の46円/kgで割ると、8.5キログラムである。
つまり袋1つに8.5キログラムより多く入るなら、 キログラム単価で委託したほうが安くなる計算になる。 紙くずのように軽いものは処理券が有利で、 生ごみのように重いものは委託が有利になりやすい。
これは計算であって、実際の見積もりではない。 委託には収集の回数や基本料金が別に乗ることがあるし、 処理券にも購入の手間がある。単位をそろえて2〜3社に聞くのが早い。
見積もりを比べるときは、次の3つがそろっているかを見る。
- キログラム単価か、袋単価か、月額定額か
- 基本料金・最低料金があるか
- 回収の頻度(週何回か。1回あたりの上限量があるか)
委託先はどこから探すか
区は許可業者の一覧を公表している。当サイトはそれを転記していて、 2026年8月30日時点で22区・5,406件を掲載している。 同じ会社が複数の区で許可を取っているため、会社の数では513社である。
意外に思われるかもしれないが、掲載の501件は東京都外に本社がある。 一般廃棄物収集運搬業の許可は自治体ごとに出るもので、 所在地が区の外にあっても、その区の許可があれば区内の事業系ごみを運べる。 近いから安いとは限らない。
名簿には「取り扱う一般廃棄物の種類」も書かれている区がある。 当サイトで区分まで分かっている1,668社の内訳はこうなっていた。
| 種類 | 社数 |
|---|---|
| 道路・公園ごみ | 854 |
| 普通ごみ | 815 |
| 汚でい | 265 |
| 廃家電 | 263 |
| しさ・ふさ | 35 |
| 医療廃棄物 | 27 |
| 動物死体 | 19 |
飲食店やオフィスが頼むのは「普通ごみ」である。 汚でい(グリストラップの汚泥など)まで頼みたい場合は、 選べる業者がぐっと減ることが数字に出ている。
家庭のごみは、この話に含まれない
ここまでは事業所から出るごみの話である。 23区の一般廃棄物収集運搬業の許可の区分は 普通ごみ/道路・公園ごみ/しさ・ふさ/汚でい/動物死体/医療廃棄物/廃家電の7つで、 家庭ごみ・粗大ごみは1つも入っていない。
ご家庭の粗大ごみは、お住まいの区の粗大ごみ受付に申し込むと、 公表された手数料で区が収集する。
お住まいの地域の回収業者を探す → 都道府県別・業者データベース(公的名簿ベース)