一般廃棄物収集運搬業の許可業者かどうかは、区市町村の名簿でしか確認できない
公開: 2026-09-02|運営: ubusuna works
この記事の結論
一般廃棄物収集運搬業の許可は区市町村ごとに出るもので、会社の自己申告やホームページの記載では確認できない。確認できるのは区市町村が公表する許可業者名簿だけである。当サイトが13都県34市区の名簿を転記・集計したところ、994社のうち572社(57.5%)は1つの区市でしか許可を持たず、東京の収録22区すべてで許可を持つ会社は50社だった。区市の数は対応エリアの広さの目安にはなるが、それ以上の意味は持たない。
誰向けか: 事業系ごみの委託先を選ぶ、店舗・オフィス・現場の管理担当者
- 相手の会社が、事業所のある区市町村で「一般廃棄物収集運搬業」の許可を持っているか(許可は区市町村ごとに別)
- 許可番号は区市町村ごとの通し番号なので、区市町村名とセットでしか意味を持たない
- 対応できる品目・産業廃棄物の許可の有無・費用は、名簿に載っていない。契約前に直接確認する
見積もりが3社から届いた。どれも「一般廃棄物収集運搬業の許可業者です」と書いてある。
もっともらしい。だが、その一文をどう確かめればよいのかは、書いてある側からは分からない。会社のホームページにも、名刺にも、許可証の写真は載っていないことが多い。
確かめる方法は、実は一つしかない。会社の説明でも、口コミでもなく、区市町村が公表する許可業者名簿である。
「一般廃棄物収集運搬業の許可業者」とは何か
事業所(店舗・オフィス・工事現場など)から出るごみのうち、産業廃棄物に当たらないものは事業系一般廃棄物と呼ばれる。これを委託で運んでもらうには、相手が一般廃棄物収集運搬業の許可を持っている必要がある。
この許可を出すのは、環境省でも都道府県でもない。区市町村である。しかも許可は「その区市町村の中で運ぶ分」にしか及ばない。新宿区で許可を受けた会社が、そのまま渋谷区の事業系ごみを運べるわけではない。区市町村ごとに、別々に許可を取る必要がある。
だから「一般廃棄物収集運搬業の許可業者です」という一文だけでは、実は何も確認したことにならない。どの区市町村の許可かが抜けている。
許可番号は、区市町村名とセットでしか意味を持たない
名簿に載る許可番号は、たとえば「世田谷区 第30号」のような形をしている。区市町村ごとに1号から番号を振っているためで、番号だけを見ても会社は特定できない。「第30号です」と言われても、世田谷区の第30号なのか、中野区の第30号なのかで、まったく別の会社を指す。
見積書やチラシに許可番号が書いてあっても、区市町村名まで書かれていなければ、確認のしようがない。契約前に聞くべきことは「許可番号は何号ですか」ではなく、「どちらの区市町村の許可ですか。番号は何号ですか」である。
確認できる場所は、区市町村が公表する名簿だけ
区市町村は、一般廃棄物収集運搬業の許可業者一覧を自分のサイトで公表している。名簿には商号・所在地・許可番号・電話番号が載る。これが確認の一次情報になる。
たとえば江東区・新宿区・練馬区は、次のページで一覧を公表している。
- 江東区「事業系ごみの処理について」https://www.city.koto.lg.jp/381104/kurashi/gomi/jigyo/24724.html(当サイトが2026-08-30に確認)
- 新宿区「事業系ごみ・資源の処理について」https://www.city.shinjuku.lg.jp/seikatsu/file09_09_00001.html(当サイトが2026-08-30に確認)
- 練馬区「事業系ごみの処理」https://www.city.nerima.tokyo.jp/kurashi/gomi/service/jigyou.html(当サイトが2026-08-30に確認)
「練馬区の一般廃棄物収集運搬業者一覧は?」のように、区市町村名を付けて探している人は多い。当サイトは練馬区の一覧のように、区市町村ごとにまとめて公開している。
13都県34市区の名簿を集めて分かったこと
当サイトは、こうした区市町村の名簿を13都県34市区ぶん転記している。2026年9月2日時点で5,922件、同じ会社が複数の区市で許可を持っている分を名寄せすると994社である(商号の表記ゆれまでは寄せていないので、実際の会社数はこれよりわずかに少ない可能性がある)。
994社の内訳を、許可を持つ区市の数で分けるとこうなる。
| 許可を持つ区市の数 | 会社数 | 割合 |
|---|---|---|
| 1つだけ | 572社 | 57.5% |
| 2つ以上 | 422社 | 42.5% |
| うち、収録した東京22区すべて | 50社 | 5.0% |
半数を超える会社が、1つの区市でしか許可を持たない。地域に根ざした会社が多いということでもある。一方で、東京23区のうち当サイトが収録した22区すべてで許可を持つ会社も50社あった。日本サニテイション株式会社や太誠産業株式会社のような名前が、複数の区の名簿に横並びで出てくる。
区市の数は、対応エリアの広さの目安であって、それ以上ではない
ここは取り違えやすい。区市の数が多い会社のほうが「良い」という話ではない。広域で許可を持つ会社は、複数拠点の事業所をまとめて任せたいときに合う。1区市だけの会社は、その地域に絞って営業しているだけで、対応の質とは関係がない。
区市の数で分かるのは、その会社が対応できる地理的な範囲の広さだけである。飲食店1店舗の定期回収を頼むなら、地域密着の会社でも困らない。
名簿に載っていないことも、契約前に確認する
区市町村の名簿が答えてくれるのは「許可を持っているか」までである。ここから先は名簿に載っていない。
- 対応できる品目——普通ごみだけか、汚でいや廃家電まで扱えるかは会社によって違う。委託先を探す前提として、事業系ごみと産業廃棄物の区分はこちらに整理した
- 産業廃棄物の許可の有無——一般廃棄物と産業廃棄物は別の許可制度で、両方が出る事業所は1社に両方を持たせるか、2社に分けることになる
- 費用——委託料金には上限があるが、実額は会社ごとに違う。料金の仕組みに上限の根拠をまとめた
迷ったときの確認手順
- 事業所のある区市町村名で名簿を確認する。当サイトの業者一覧、または区市町村の公式ページ
- 見積もりを出した会社の商号と許可番号が、名簿の記載と一致するか照らし合わせる
- 対応できる品目・エリア・費用は、名簿に無いので契約前に直接確認する
- 区市町村や条件が分からず絞り込めないときは、無料相談で伝えてもらえれば、条件の合う会社をお伝えする
出典
- 当サイトの許可業者名簿(13都県34市区の自治体公表資料を転記。2026-08-28更新、集計日2026-09-02)
- 江東区「事業系ごみの処理について」(江東区公表、当サイトが2026-08-30取得)https://www.city.koto.lg.jp/381104/kurashi/gomi/jigyo/24724.html
- 新宿区「事業系ごみ・資源の処理について」(新宿区公表、当サイトが2026-08-30取得)https://www.city.shinjuku.lg.jp/seikatsu/file09_09_00001.html
- 練馬区「事業系ごみの処理」(練馬区公表、当サイトが2026-08-30取得)https://www.city.nerima.tokyo.jp/kurashi/gomi/service/jigyou.html
- 一般廃棄物と産業廃棄物の区分、許可制度の法的根拠は産業廃棄物と一般廃棄物の違いに整理した
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